バイブルメッセージ Bible Message

主のお言葉は、必ず実現すると信じる者の幸い                             ルカ1章26~45節

2023年 12月 1日

主のお言葉への戸惑い

「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(28)突然天使が現れ「おめでとう」と言われても、マリアは何が「おめでとう」か分かりません。だからマリアは、「この言葉にひどく戸惑って、これは一体なんの挨拶かと考え込んだ」(29)のです。すると天使は「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。」(30)と戸惑うマリアに言ったのです。

恵みというのは、一方的に与えられるから恵みなのです。けれども、その人にとっては必ずしも最善の時と思えないタイミングで、神はその恵みを与えようとなさることがあります。だから、受け取る者にとっては喜びより、ひどく戸惑うことになるのです。

マリアは、「身ごもって男の子を産む」と言われました。これは、人間的な思いからすれば最悪のタイミングです。マリアはヨセフと婚約中で、二人が会ってはならないとき、マリアが子を身ごもるならば不貞を働いた、と思われてしまいます。「天使が私にこう告げました」とマリアが説明しても、信じてもらえない時でした。

当時のナザレの人口は400人ぐらいでした。噂は簡単に広がります。そうなると、マリアは、当時の掟としてふしだらな女として石で打ち殺される。最悪の事態が思い浮かぶのです。

私たちの日々にも、突然、最悪に思える状況が起こることがあります。それは、病い、誰かの裏切りや、事業の失敗であったり、それらが積み重なることだってあります。

そして、ひどく戸惑い、頭が混乱し、恐れを抱くのです。そんなとき、神に祈り、慰め、力を得ようと聖書の御言葉に聞こうとすると、自分が予定していた計画、思い描いていたことが壊されてしまうと思える答えが返ってくることもあるのです。

しかし、その最悪と思える時、酷い状況は、実は神が御業をなさる絶好の時なのです。私たちの危機、ピンチは、神の御業がなされる絶好の時、チャンスなのです。

マリアは更に「どうして、そんなことがありえましょうか。私は男の人を知りませんのに。」(34)と尋ねます。マリアは主のお言葉にひどく戸惑っても、なお主と向き合い続けました。それはとても大事なことです。すると天使はこう告げるのです。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを覆う。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類エリサベトも、老年ながら男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。」(35)主のお言葉にひどく戸惑うマリアに告げられた一つのことは、あなたの力ではなく、いと高き方の力に覆われるという約束でした。そして、もう一つのことはマリアの親類のエリサベトに起こっていた神の偉大な業でした。

御言葉を受け留められず、ひどく戸惑うマリアの弱さを受け止めてくださり、神は目に見えるしるしを示してくださったのです。そして、天使は「神にできないことは何一つない」(37)と告げたのです。

何でもできる神は、罪深い人間を滅ぼすことができても、その御愛の故に、罪人が滅びることなく永遠の命を得るために御自身が人となってこの世に来られ、全く罪のないお方が、私たち罪人の罪を担い、十字架で尊い命をささげられ、贖われたのです。

 

主のお言葉は必ず実現すると信じる者の幸い

「私は主の仕え女です。お言葉どおり、この身になりますように。」(38)

マリアは、天使を通して告げられた主のお言葉を信じ、自分の身に起こることを受け入れました。そして、マリアは、一目散にエリサベトの所へと向かいます。マリアが到着すると、エリサベトは聖霊に満たされ、マリアの胎内に宿った子が神の御子であることを悟り、聖霊に満たされてエリサベトはこう言ったのです。

「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」(45)

なぜ、こんな時に、このようなことが起こるのかと思うことがありますか。今、まさに起こっていますという方もおられますか。それでも、主に祈り、御言葉に従い、身を委ねて行ってください。自分にとって、どん底に思える時は、神の恵みを受け取る時、神の御業がなされる時だからです。その人は、幸いな人です。

ウェスレアン・ホーリネス教団 浅草橋教会(牧師・山崎 忍)

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