復活の主にある平和、喜び、そして愛の力（ヨハネ20章19～23節）

　共におられる復活の主にある平和

　弟子たちは、主イエスが十字架で死なれた後、自分たちも捕えられるとユダヤ人を恐れ、外部からの侵入を防ごうと家の戸にはすべて鍵を掛けました。しかし、あらゆる手を尽くしても、彼らの心から不安、恐れを取り去ることはできませんでした。そこに復活の主イエスは入って来られ、真ん中に立って「あなたがたに平和があるように」と言われました。彼らは、イエスの声を聞きました。イエスの言葉が彼らの心にしみわたりました。イエスの言葉、神の言葉には、私たちの心を癒す力があります。彼らの心に主にある平和がもたらされました。

　私たちが日々の歩みの中で、様々な困難に直面するとき、その心は不安と恐れで満たされ、身動きが取れなくなり、外部との接触を遮断したくなることがあります。しかし、主イエスの御声を聞き、共におられる主を思い起すとき、私たちの心に平和が回復します。

　イエスは、弟子たちのいるところのど真ん中に立たれました。それは、私をあなたの心のど真ん中に招きなさい。そうすれば、あなたの心は私の平和で満たされるというメッセージなのです。

　共におられる復活の主にある喜び

　弟子たちは、３年間ずっと主イエスと寝食を共にし、イエスを通してなされる偉大な神の御業を見てきました。しかし、その主イエスの生涯があまりにも悲惨な終わり方をしたのを見て、彼らは深く悲しみ、絶望しました。しかし、そのイエスが死に勝利され、自分たちのど真ん中に立っておられるのを見て喜びました。（20）

　彼らが見た主の御体は、栄光の輝きを放っていましたが、十字架に釘付けにされたときの傷が残っていました。死に勝利された主は、栄光の冠をかぶった姿で現れたのではありません。その御体には、苦難の中で受けた打ち傷が残っており、弟子たちはその主イエスを見たのです。復活の主は、どんな痛み、苦難、いや死をも乗り越えることができることを示され、弟子たちに喜びを与えました。

　共におられる復活の主による愛の力

　「……父が私をお遣わしになったように、私もあなたがたを遣わす。そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。聖霊を受けなさい。」（21～22）

　父なる神が、御子イエスをお遣わしになったように、主イエスは、わたしたちをこの世に遣わします。ということは、私たちもこの世の営みの中で、傷だらけになることがあります。聖霊の力によって遣わされた弟子たちは、たくさんの傷を負いました。土の器である肉体は脆いのです。しかし、内におられる聖霊による愛の力によって、キリストの愛を多くの人々に届けることができました。同じように、私たちも復活の主イエスの平安と喜び、そして、愛の力に満たされ、この世に遣わされるとき、傷ついた世、苦悩する世に、主イエスの愛の癒しをもたらすことができます。