バイブルメッセージ Bible Message

子羊なる主イエスに新しい歌を(ヨハネ黙示録5章1節以下)

2022年 2月 1日

巻物を開くのにふさわしい者

 

「封印を解いて、この巻物を開くのにふさわしい者は誰か」(2)誰も、この巻物を開いて、書き記されていることを見るのにふさわしい者がおらず、ヨハネは激しく泣きました。それは御言葉、神様の御心を知ることができなくて悲しかったからです。いつも主の御言葉を渇望していました。今聖書は封印されていませんが、開かれないで日々が過ぎ去ることが決してないように、御言葉を開き、渇望する者でありたいと思います。

さてヨハネが激しく泣いていると、長老の一人がこう告げるのです。「泣くな。見よ。ユダ族の獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を解き、この巻物を開くことができる。」(5)ユダ族のシンボルは、獅子、ライオンです。このダビデのひこばえ、子孫こそが主イエスです。

「……小羊には七つの角と七つの目があった。この七つの目は、全地に遣わされている神の七つの霊である。小羊は進み出て、玉座におられる方の右の手から巻物を受け取った。」(6―7)七つの角、それは、神の完全な力を現わしています。この七つの目は、神の七つの霊、聖霊様です。七つの目とは、すべてを御存じであることを意味します。ですから、このお方は、全知全能なる神であり、その神の霊に完全に満たされたお方です。けれども実際にその巻物を受け取ったのは、屠られたような姿で立っている小羊でした。ヨハネは、屠られた小羊のようなお姿の主イエスの前に、長老たちがひれ伏し、つまり礼拝し、そして、祈りをささげている様子を見ました。(8)

「そして、彼ら(長老たちやそこにいる民)は新しい歌を歌った。『あなたは、巻物を受け取り、その封印を解くのにふさわしい方です。」(9)小羊なる主イエスへの礼拝、祈り、新しい歌、賛美が響き渡る、これがヨハネが見た天上の礼拝であり、私たちの礼拝です。

 

 なぜ、小羊なる主イエスこそが巻物の封印を解くのにふさわしいお方なのか

 

それは、このお方が、神の小羊として勝利を得たからです。

 

「……あなたは、屠られて、その血により、神のためにあらゆる部族と言葉の違う民 あらゆる民族と国民の中から人々を贖い……」(9)

 

主イエスは、獅子に象徴されるように神の威光、尊厳、栄誉をお持ちのお方です。けれども、そのお方は、生々しい傷が残った屠られた小羊のようなお方です。どこまでも弱さを身に受け、へりくだられ、私たちの罪、咎、病を負って、十字架の苦難と死を通られた方です。ですから、このお方は、私たちの苦しみ、弱さ、痛みのすべてを御存じであると共に、その私たちを救い出すことがおできになるのです。

 

キリストの体なる教会は、小羊なる主イエスによって贖われた者の共同体です。弱さを身に帯びている体です。しかし、だからこそ、同時に苦しみ、痛み、弱さの中にある人々を愛し仕える体なのです。

 

コンスタンチヌス帝の母モニカがクリスチャンになり、その信仰が息子のコンスタンチヌスに伝わったとき、キリスト教はローマ帝国で公認され、やがて、国教となりました。そのとき教会は、小羊なるイエスの体であることを忘れ、ライオンのようになりました。他の宗教を信じる人を迫害するという大きな罪を犯しました。その後の歴史の中でも、教会がこの世の力を握りライオンのようにふるまったとき、神の愛に生きることを忘れ、小羊なるイエス様への信仰を失いました。人を愛すること、人に仕えることを忘れ、かえって分断、偏見を引き起こしました。

 

今沢山の弱さがあり、痛みがあり、悲しみがあります。けれども、私たちの悲しみ、痛み、苦悩を身にまとって屠られてくだり、罪を滅ぼし、死者の中から復活し、勝利者となられた小羊なる主イエスを礼拝し、祈り、新しい歌をささげる、賛美し続けるとき、私たちは神と人に仕える力、愛する力が増し加えられ与えられ、多くの傷ついた魂をイエス様のもとに導く勝利者となることができます。

 

ウェスレアン・ホーリネス教団 浅草橋教会(牧師・山崎 忍)

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