バイブルメッセージ Bible Message

神にできないことは何一つない (ルカ1章26~38節)

2022年 12月 1日

マリアがヨセフのいいなずけとして一緒に暮らす中、どんな結婚生活を思い巡らしていたのでしょう。神からの祝福を受け、やがて子どもが与えられ、たとえ貧しくても、愛に満ちた家庭、子どもたちに神の言葉を教え、祈ることを教える。マリアはきっとそれで充分だったと思います。そんなマリアに対して突然天使が現れ、「……あなたは身ごもって男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と呼ばれる。」(31~32)と言われても、わけが分かりません。それでマリアは、こう天使に尋ねます。「どうして、そんなことがありえましょうか。私は男の人を知りませんのに。」(34)

ザカリアは、年老いた妻エリサベトが「男の子を産む」と天使に言われた時、「どうして、それが分かるでしょう。私は老人ですし、妻も年を取っています。」と問いかけると、天使は、あなたは神の約束の言葉を信じなかったので、このことが実現する日まで口が利けなくなると告げ、本当にそうなりました。でも、マリアの口は閉ざされませんでした。

一つ言えることは、ザカリヤは、しるしや証拠を求めて「どうして」と言いました。これに対してマリアは、神の御心を更に深く知りたいので「どうして」と問うたという違いがあります。マリアの方が前向きです。

この一年の歩みにおいて、私たちも、「どうして、なぜ」とよく言ったかもしれません。なぜ、コロナ感染がこんなにも続き、人々を苦しめているのか。どうして、私が思い描いた通りに進まないのか。後ろ向きの「どうして」、疑いの「どうして」、諦めの「どうして」が多かったのではないでしょうか。

アドベントの日々、私はもっとあなたの御心を知りたい。教えてください。そういう前向きな「どうして」を問いかける者でありたいのです。そして、前向きに「どうして」と神の御心を探る者は、「神にできないことは何一つない」という言葉を信じる者となります。

マリアは、「神にできないことは何一つない」と告げられたとき、その言葉を信じ、こう言いました。「私は主の仕え女です。お言葉どおり、この身になりますように。」その結果、マリアは、神の霊、聖霊の住まいとなり、イエス様を宿し、救い主イエスが誕生しました。

そして今、主イエスを信じる者は皆、御聖霊を通して主イエスが住まわれる神の宮となります。主は罪深い者の罪を赦し、癒し、清め、聖霊の宮としてくださるのです。私たちを神の愛を持ち運ぶ器としてくださるのです。神にできないことは何一つありません。

私たちは、コロナ禍の中で、これまで経験したことのない日々を送り、もうそれは想定外ではなくなっているかもしれません。「どうして、そんなことがありえましょうか」と沢山言ってきて、もう「どうして」ではなくて、「またか」になっているかもしれません。どうせ、私の今の状況は変わらない。そうあきらめていないでしょうか。

アドベントは、「どうして」という問いかけで始まりました。

私たちは、後ろ向き、諦めの「どうして」ではなく、前を向くための「どうして」という問いかけをしながら、「神にできないことは何一つない」という御言葉を信じ更に前進しましょう。

ウェスレアン・ホーリネス教団 浅草橋教会(牧師・山崎 忍)

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