しっかり立って、動かされることなく、いつも主の業に励みなさい （Ⅰコリ15・58）

　しっかり立って

　使徒パウロは、15章54節で「死は勝利に呑み込まれた。」と述べています。感謝すべきことは、主イエス・キリストが、御自身の死によってあらゆる罪を滅ぼし尽くされ、復活されたので、主イエスの十字架と復活による勝利によって死は完全に呑み込まれてしまいました。ですから、この確信にしっかり立ちなさいとパウロは勧めているのです。

　動かされることなく、いつも主の業に励みなさい

　パウロは、死をもたらす罪は、キリストの十字架と共に葬られ、死はキリストの勝利によって、呑み込まれてしまったのだから、死への恐れや不安に「動かされることなく、いつも主の業に励みなさい。」と勧めているのです。

　「主の業」は、単数形で書かれています。ずばり、キリストの十字架と復活による贖いを意味します。主の業に励むとは、主の十字架と復活の福音を宣べ伝えること、キリストの愛の業に励みなさいということです。

　コロナ禍で、私に何ができるだろうか。自分のこと、家族のこと、これから先のことを考えると不安があるでしょう。けれども、私たちには、死に勝利し、死を呑み込んでしまった主イエスが共におられるので、キリストの体なる教会のために、主の業に励むことができます。

　私たちは、主にあってクリエィティブになる必要があるでしょう。これまでやってきた主の業をそのまま忠実に果たすことは大切ですが、主の業の本質が変わらなければ、その現れは変わっても良いのです。但し、主の業に励むのですから、それは、消極的な意味ではなく、積極的な意味においてです。

　労苦は無駄ではない

　そして、主の業に励み続けるならば、その労苦は決して無駄になりません。私たちは、すぐに結果を知りたくなります。早く人々が救われて、神の子とされるのを見たくなります。洗礼者が沢山与えられ、魂が愛の神のもとに連れてこられるのが待ち遠しいのです。

　コロナウイルスは、一人から何人もの人に移ることがあります。それは、あってほしくないことです。けれども、一人の救いが後に10人、１００人、１，０００人の救いへとつながれば、あっという間に日本中の、世界中の人がキリストの愛を知ることができます。

　しかし、人を救ってくださるのは神であり、神の恵みによることです。ですから、私たちは、新しい年、それぞれが一人の救いのために徹底的に祈りましょう。浅草橋教会には、10年、20年、それ以上に祈られ続けて救われた方が何人もおられます。そして、その方が今、キリストの体なる教会で尊い働きを担っています。私たちの労苦は決して無駄になりません。この御言葉の約束を信じて、主の助けと守りの内に進んで参りましょう。